子犬のかわいさと、成犬になったときの愛おしさは少し違う

愛犬との信頼関係を熱く語ってくれたSさん家のお話です。
poodle
私が犬を飼い始めたのは8年前のことです。
犬を飼いたいと思い知り合いのつてを辿って、その犬種を繁殖しているブリーダーさんを紹介してもらい、電話をして現在子犬がいるかどうかを聞いたところ、ちょうど5匹生まれて最後の1匹がまだ飼い主が決まっていないので見に来ますか?と言われました。

希望していたのはトイプードルのブラックかホワイトで、その子犬はブラウンとのことで、希望のカラーではなかったのですが、とりあえず見に行ってみようと思い見学に行くことにしました。
ブリーダーさんのところに病原菌を持ち込むと大変なので、見学当日はペットショップや他のブリーダーには寄らないというのが原則らしいです。

見学に行ってみると、ケージのなかにコロコロした子犬が5匹、まとまってスヤスヤ寝ており、見ているだけで幸せな気持ちになりました。
その中から最後の1匹ちゃんをすくい上げ見せてもらいました。あまりにかわいく、カラーは関係ないからこの子にしようと決め、譲り受けることにしました。
まだ小さかったのでもうちょっと育って、母犬や兄弟犬と十分一緒に過ごさせてから引き取ることになり、その日は帰ることに。
その間にブリーダーさんから子犬の飼育に必要なものを教えてもらい、全て買い揃え、まだ子犬の入っていないケージを見ながら早く来ないかなあと毎日ウキウキしながら過ごしました。
子犬は体調を崩しやすいので、何かあればすぐに行けるように動物病院も調べておきました。

いよいよ子犬が来ることになり、最初は甘噛みしたり、家具をかじったりといたずらばっかりで困ることも多く、もう嫌だと思うこともたくさんありましたが、しつけ教室に通ったりして少しずつ人の指示に従うようになっていってくれました。
8年経った今では、中に小さい人間が入っているのかも・・・と思うぐらい、人の言葉も理解しているような感じです。
苦労して育てたからこそ、今良好な関係を築けていることがとても喜ばしく思います。

犬を飼っているとわかるのですが、犬は思っているよりずっと人の感情に敏感な動物だということを改めて思います。
人が嬉しかったり楽しかったりすると犬もなんだか嬉しくなって尻尾を振ったり駆けまわったりして、人が落ち込んでいたり悲しんでいたりする時は犬も心なしかしょんぼりし、人の傍に寄り添って慰めてくれるようなしぐさをします。
もしくは、飼い主の気を紛らわそうとしているのか、わざとおもちゃを咥えて持ってきて遊んでほしいと甘えてみたり、おかしな行動を取って飼い主を笑わせようとしてくれます。
その姿を見ていると、こんな小さい頭でいろいろ考えているんだなあと思え、一層愛おしくなるものです。

子犬の頃は誰でも抱きしめたくなるような無条件のかわいさというものがありましたが、年を取り一緒に成長してきた過程の中で培われた信頼関係というのは、飼い主と犬の間にしか生まれない、とても強固な絆であると思います。

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