わんちゃんを飼い続けていました。

幼いころからわんちゃんを飼い続けているSさんのお話です。
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私が幼い頃からうちにはいつもわんちゃんがいました。
今はほとんどダンボ-ルに入った捨て犬は見かけませんね。昔は多かったのです。
公園などで雑種の捨て犬が。

捨て犬を拾ってきてうちで飼ったこともありました。
うちで飼っていたわんちゃんが赤ちゃんをたくさん産み困ったので、当時私はまだ小学生。
何もわからなかったからなのか、わんちゃんを抱き、知らない人の玄関フ-ドの中へ「可愛がってくれますように」と祈りを込め、おいてきたこともありました。
何日か後にまたそのおうちへ行くと無事に飼っていてくれて安心した思い出もあります。

フィラリア症になってしまったわんちゃん、皮膚病になってしまったわんちゃん、心臓肥大になってしまったわんちゃんと数々病気もしてきました。

今でも理由がわからないことがあります。
小学校の頃の私が学校から帰ってきたときに、家の前に大きなトラックが止まっていました。
その中にはうちで飼っていた、大事にしていたわんちゃんがなぜか乗っていました。
あとから聞くと保健所へ行ったそうです。
どうしてあんなに可愛がっていたわんちゃんが、保健所に行かなければいけなかったのか、もう両親が亡くなっているので理由は謎のままなのです。

大人になってからは、妹が飼ったミニチュアダックスのわんちゃんがいました。
一人暮らしをしていた妹は、さみしさのあまりわんちゃんを飼ったそうですが、手に負えなくなったそうで実家に連れてきました。
それからはもうそのわんちゃんは、実家のわんちゃんになっていました。

そのあと何年か後にまた同じダックスで色違いのわんちゃんがやってきました。
妹はまた飼ったのです。そしてまた実家に。
結局実家では私や母親が見ることになりました。
二匹目のダックスは、ミニチュアとは全然思えないほど大きく声も低かったため、最初はなぜかみんな受け入れることが出来ずに、かまってあげることができませんでした。

みんなは一階にいるのにその子は二階。
どうして愛情をかけてあげることができなかったのか、今ではとても可哀想ことをしたと悔やみます。
灯油が入っているスト-ブをひっくり返してしまい、油まみれになってしまったこともありました。
ふと、一階に連れてきてあげたときに父親が仕事から帰ってきて、一番うれしそうに「ワンワン」と尻尾をたくさん振り、飛び跳ねて喜んでいました。

その姿を見た父親は一気に愛情が湧き、それからというもの家族の一員でみんなで一階で過ごす日々になりました。
わんちゃんは、傷口を舐めてくれて治そうとしてくれたり、泣いていたら顔を舐めてくれたり、誰も話を聞いてくれないことをわんちゃんに聞いてもらったり、わんちゃんはいなくてはだめな存在でした。

両親も亡くなり、私が2匹のダックスわんちゃんたちを育てることになりました。

旅行で出かけなければいけないときは友達に来てもらっていました。
写メ-ルを送ってくれましたが、やっぱりちょっと寂しい表情でした。
玄関の方をずっと見ていて帰ってくるのを待っているそうです。
家族の一員が帰ってこないとやっぱりわんちゃんはさみしいし、気になるし、寝れないんでしょう。

1匹目のわんちゃんが心臓肥大になり咳をし始めました。
だんだん弱っていくわんちゃんにもう一匹のわんちゃんがいつも寄り添っていました。最後まで最後まで寄り添っていました。

1匹目のわんちゃんが亡くなったすぐ後にもう一匹のわんちゃんも咳をし始めました。
アレルギ-ではないかと病院で言われましたが、セカンドオピニオンをした時には、一匹目のわんちゃんとほぼ同じ病気でした。
症状も同じく咳をしていました。
つらいのか寝れない日々が続きました。
とってもとっても可愛くて人間の気持ちがわかっている優しいワンちゃんでした。
最後までずっと一緒にいれた私は幸せでした。

友達も見送ってくれる人がたくさん来ました。
みんなに愛されていた、みんなのことも愛していたわんちゃんだったと思います。
わんちゃんは人の心を癒してくれるって、ほんとうですね。

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